<盆栽は切って良くする>
・全体を不等辺三角形に整える
正面から見て左右対称の盆栽は見かけません。必ず左右どちらかに流れがあり、枝のボリュームも右と左で違います。意図して不等辺三角形が作られており、その不安定な形から動きが生まれます。剪定する時は三角形をイメージしながら行うと良いでしょう。
・忌枝
盆栽では不要な枝や見栄えの悪くなる枝を忌枝(いみえだ)と言います。代表的なものをあげておきます。
立枝ー垂直に枝
逆さ枝ー流れとは反対に出ている枝
車枝ー一か所から放射状に出る複数の枝
三又ー三方向に出ている枝。盆栽では枝は二又に作られます。
突き枝-前方へ突き出した枝
閂枝ー幹を左右に貫くように出た枝
並行枝ー複数の枝が平行に同じ方向に出ている枝
(三又)
小品盆栽では樹が小さいため、作る過程でどうしても忌枝が出てしまうことがあります。忌枝は絶対にダメというわけではないので、これらはあくまで基本として覚えておくと良いでしょう。
・二又にすれば針金が掛けやすい
枝を二又にするのは針金掛けにも関係しています。二又(枝を偶数)にしておけば針金が掛けやすくなり、スムーズに行えます。
・節間の短い部分を残す
芽の出る部分を節といい、節と節の間を節間(せっかん)と呼びます。小品盆栽では節間を長く残すと間延びしてしまい、「自然の凝縮」を表現できません。枝が出来ていても、節間の短いところまで切り詰めるようにしましょう。下の写真では点線の〇部分で二又に切ることもできますが、その手前は節間が伸びてしまっています。もったいないようですがその手前の節まで切り詰めます。実線で切れば短い二又ができ、節間の詰まった枝が出来ます。
・三歩進んで二歩下がる
モミジを例にとって見てみましょう。
一見すると枝の出来たモミジですが、細かい部分では枝が込みすぎて柔らかなほぐれがありません。
せっかく出来た枝ですが、枯れ枝や三又が目立つので二又にするように剪定します。
枝をもう一度作り直したいときはここまで剪定しても大丈夫です。
(さらにスッキリ)