<盆栽の見方とは…>
盆栽を見るときにはいくつかのポイントかあります。それらを知っておくと、どこから見るべきか、何を意図して作られているかが分かってきますので、盆栽を見る楽しさが出てきます。また、盆栽を作る際にも役立ちます。
・根張り(ねばり)ー 大地に根を張る姿を表現するところで、一般的に四方八方に万遍なく伸びている根姿(八方根張り)が良いとされています。樹によっては斜めに伸びる幹と反対方向へ伸びる「引き根」が見どころになる場合もあります。古い樹になると根張りが発達して山のすそ野のようになります。 挿し木や取り木素材を見るときは根張りが見えないこともあるので注意が必要です。片方からしか出ていない「片根」や一本だけが伸びている「一本根」のものもあります。根張りのしっかりしていないものは深植えされていることもあり、同時に価格も低くなる傾向があります。
・立ち上がり ー 根張りからすぐ上の立ち上がり部分はとても重要です。とくに小さな盆栽の場合は、立ち上がりの芸が見どころになります。立ち上がりの部分は「変えられないところ」です。苗木のうちは曲げることが出来ますが、いったん幹が太くなってしまうともう曲げられなくなります。ここに面白みのある曲があるかどうかで、その樹の雰囲気や将来性も変わってきます。
・差し枝 ー 前方へ向かって差し出されるように作られた枝です。利き枝とも呼ばれます。大抵は最初の枝である一の枝が差し枝として作られますが、樹によっては二の枝が差し枝になる場合もあります。樹全体の流れを方向付ける役割をもっています。
・受け枝 ー 差し枝の反対側で流れを受ける枝です。二の枝とも呼ばれ通常は差し枝よりも短く作られます。場合によっては一の枝が受け枝となることもあります。
・樹冠 ー 樹の頂上部分です。尖ったように作るか、ふんわり作るかで樹の持つ印象が変わってくるところです。また、樹冠を作る位置によって安定感を出したり、逆に不安定さを表現することもできます。 ・全体の流れー 流れは「右流れ」と「左流れ」があり、根張りや立ち上がり、差し枝など全体の要素によって決まります。写真の樹は「左流れ」ということになります。左右の流れは飾り付けの際に重要になってきます。
・盆栽には「正面」がある
盆栽には見る方向があり、「正面」が決められています。絵画を観賞する時と同じように、見るときはまず正面から見るようにしましょう。一般的に樹が前傾している方向が正面となります。作る際にも、根張りや立ち上がり、枝ぶりなどを考慮して正面を決定してから作ります。(写真は一枚目の樹を左側から見たものです)
(土佐水木 左側面)