<小さな自然を身近に感じる>
盆栽とは、盆(器)と樹で凝縮した自然を現す生きた芸術であり、日本の伝統園芸の一つです。大きな盆栽であろうと小さな盆栽であろうと、鉢の中に「自然を表現する」ことには変わりはありません。花や実成りだけを観賞する鉢植えと違い、樹と鉢の調和、そしてその中に表される自然の物語という要素が加わります。
春の芽吹きに心躍り、夏の新緑に清々しさを感じ、秋の紅葉に少しばかりの寂しさを覚え、落葉後の姿に冬の厳しさを見る。一つの木から一年を通して四季の移ろいを見ることが出来ます。 そんな自然を身近に感じられるのは盆栽ならではの魅力と言えるでしょう。
(蝦夷松)
<小さな盆栽は場所を取らない>
小品盆栽は大きいものでも20cmを超える程度、小さい物は5cmほどの大きさです。1mに迫るような大品盆栽とは違い、小さな盆栽は管理する上で広い場所を必要としません。
広い庭がないから…と諦めていませんか? ベランダやガレージの屋上などのスペースを活用すれば十分に管理出来ます。鉢も樹も小さいので、作業場も机一つで出来てしまいます。 また、飾りの面では大きな床の間がなくても玄関先や窓辺などわずかな場所で飾ることが可能です。テーブルや窓辺に置くだけで、あっという間に「和の空間」に変身してくれます。
<豊富な樹種>
盆栽として培養される樹種は、松やヒノキなどの「松柏(しょうはく)」、モミジなどの「雑木」、花を楽しむ「花物」、実成りを楽しむ「実物」があります。
松柏: 黒松 赤松 五葉松 杜松 真柏 檜 栂…
雑木:モミジ カエデ ブナ ヒメシャラ ソロ ケヤキ…
花物:梅 桜 サンザシ 花カイドウ サツキ サルスベリ 土佐水木…
実物:深山カイドウ ウメモドキ カマツカ ツルウメモドキ ピラカンサ…
苗木として流通している樹木(ツバキ、サザンカなど)でも盆栽に仕立てることができますし、野山に生えている木々など様々な樹種を盆栽として育てることができます。
<自分で作れる>
「自分で作れる」というのは小さな盆栽だからこそ出来ることです。 実生(みしょう、種から)や挿し木、取り木といった方法で素材を作り、そこから仕立てていくことができます。
種子から盆栽を作るなんて何年かかることか…と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、樹種によっては3年から5年ほどで見られるようになるものです。小さな種から、1年目より2年目、2年目より3年目と段々と形作られていく。そんな様子を見て、「この木は将来こういう風に作っていこう…」なんて空想に耽る時間は、小さな盆栽だからこその楽しみでもあります。 種から育てる以外にも、園芸店などで見られる安価な素材から始められますので、一度試してみましょう^^
(実生モミジ)